漆器は木地づくりから加飾まで多くの工程があり、一つ一つの工程が大事な役割を果たしています。それぞれの工程で職人が使う用具は、多くの用具職人の手で作られており、「駿河炭」もその一つです。
漆の塗面を平らにする研ぎの工程では、サンドペーパーなど科学的に作られた用具では十分でなく、伝統の技で作られた「駿河炭」での研ぎが必要となります。
- 素材をキズづけることなく磨くことができる。
- 繊細な仕上げができる。
- 曲面、面の磨きができる。
◆駿河炭
日本油桐を原木とし、漆の漆面を平らにする研ぎにはなくてなならない唯一の炭と言われています。他にも精密金属の研磨に利用されています。
◆朴炭
朴の木を原木とし、駿河炭よりやや固めですが、漆の研ぎに利用されます。他にも各種金属の研磨など広く利用されています。
◆椿炭
ツバキを原木とし、研磨炭の中では硬く、主に蒔絵の金銀地の仕上げに利用されます。
◆呂色炭
チシャノキ・アセビを原木とし、柔らかく炭化させた炭で、仕上げの研ぎに利用されます。