名田庄総合木炭生産組合で製炭されている炭は、職人たちのための工業用炭で、駿河炭、呂色炭、朴炭、椿炭の4種類の研磨炭です。
中でも「駿河炭」というニホンアブラギリから作られる研磨炭は特別な存在です。
漆器の仕上げ、精密機械関係の研磨には欠かせない炭ですが、原木となるニホンアブラギリは年々減少しており、大変調達が厳しくなっています。
かつては静岡県(駿河)を中心にニホンアブラギリは日本各地に分布していたそうですが、今は一大桐油生産地であった若狭地方にわずかに残っている状態。そこから樹齢30年以上で年輪の幅が狭く均一になっているものを選ぶとなると、見つけること自体が非常に困難です。
そのため、若狭地方だけでなく、年中全国の山々の情報をかき集めている状態です。
やっと見つけた素晴らしい原木の素材感を余すことなく生かすため、大切に丁寧に扱い、丹精を込めた孤高の炭に仕上げてゆきます。
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